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「投資家の名言から学ぶ」シリーズでは、トレードのヒントになるような名言を紹介しています。
今回は「聖杯探しをやめる」をテーマにした言葉を紹介します。
名言集
市場に「確実なもの」など存在しないというのが、単純な真実である。
—バーナード・バルーク
この業界で成功の公式を作れると思う者は、自分自身を欺いている。なぜなら、市場はあまりにも速く変化するからだ。ある公式が一定期間うまくいったとしても、その成功自体がその公式の失敗をもたらす。
—マイケル・スタインハルト
金融市場はあまりにも複雑すぎて、公式に落とし込むことはできない。さらに、もし成功する投資公式が生まれたとしても、それを持っている人々が利用し尽くし、競争によって余剰利益が消えるまで続くだろう。
—セス・クラーマン
『私はこうして100万ドルを稼いだ』とか『あなたも何百万ドルを稼げる』といったタイトルの本は、ほとんど内容がないにもかかわらず売れる。それらは最も危険なものである。なぜなら、必ずどこかに機械的な公式が含まれているからだ。
—アダム・スミス(『マネーゲーム』)
「一攫千金の方法」というものは存在しない。それは単に、誰かがあなたを利用して金を儲けようとしているだけだ。
—ナヴァル・ラヴィカント
もし財務諸表から未来が分かるのなら、数学者と会計士が世界で最も裕福な人々になっているはずだ。
—ピーター・リンチ
ある公式が広く受け入れられ、重要視されるのは、それが一定期間うまく機能したか、あるいは単に過去の統計データに適合するように見えるからだ。しかし、その受容度が高まるにつれ、その公式の信頼性は低下する。その理由は二つある。第一に、時間の経過とともに新たな市場環境が生まれ、古い公式は適用できなくなる。第二に、株式市場では、人気のある投資理論自体が市場の動向に影響を及ぼし、最終的にその理論の収益性を損なうからだ。
—ベンジャミン・グレアム
コメント
トレードは日々ルールの変わっていくゲームです。
上手くいっていた戦略が突然通用しなくなったり、また時期をおいて稼げる戦略に戻ったりします。
そのため「○○するだけで勝ち続けられる」という聖杯は存在しません。
優秀な人ほど「これまで努力によって結果を出してきたんだから、トレードも努力を続ければいつか成功パターンを見つけられるはず」と考えがちです。
しかしトレードはルール自体が変わっていくゲームなのでこのアプローチは悪手です。
「とりあえず試してみてうまくいくならそのまま、でもうまくいかなくなったら別のやり方に切り替える」といった柔軟な思考が必要です。
海外には「Doctors, Lawyers, and Teachers are often bad investors(医者、弁護士、教師は投資が下手)」という表現があるそうです。
もちろんその職業についている全員に当てはまるとは思いませんが、
ルールに基づいた正確な行動が要求される環境に慣れていると「そもそもルールや法則がコロコロ変わる」相場ではうまく立ち回れないという教訓だと私は解釈しています。
リスクよりリターンが大きいと判断したらとりあえずチャレンジしてみる起業家のような気質がトレードには必要です。